『春まつり 歌の大百科』

著作者・編集者[著作者・編集者]
出版年1965年
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1965年の明星5月号の付録です。今月のレコード会社推薦曲、都はるみ特集、今月のベスト30の紹介、懐かしの大ヒットコーナーなどの構成になっています。

今月のレコード会社推薦曲には、舟木一夫、橋幸夫、西郷輝彦、西田佐知子など大スターの新譜が紹介されているが今の時代に残っている曲はひとつもない。日の目を浴びなかった歌謡曲の儚さを感じます。

都はるみ特集では今月のベストテン第2位として「アンコ椿は恋の花」が掲載されている。

『はるみちゃん歌の歩み』ではデビューから初めてのヒット、新人賞受賞、そしてこれからのはるみちゃんを時系列で歩みを追っている。デビュー曲の「困るのことヨ」のレコーディング時は、気の強いはるみちゃんも遠藤実先生や会社首脳部がずらりと並んでいたためドキドキだったとのこと。「こうしないと私思い切り歌えないんです」と、靴を脱ぎ裸足になってマイクに向かったそうです。このファイトには並みいる先生たちも思わずうなったとあります。コッコや一青窈のルーツは都はるみにあったのかもしれません。

付録にしては多い情報量なのはレコード会社の広告としても機能していたからだと思うのですが当時の空気をざっと感じるのにはとてもいい資料だと思いました。特に当時のヒット曲のポップスから演歌までの幅の広さや今も昔も時代を超えて残るヒット曲というのは少ないんだなという点。

しかし、そんなことより時代を感じさせるのが巻末にある「最新オールスター歌手名鑑」である。ア行から順番にスターの名前が羅列されているのだが、ファンレターを出しましょうってことでなんと名前と一緒に住所まで載っているのです!どうせ事務所の住所でしょと現在の人なら思うでしょうが驚くのがほとんどが自宅の住所っぽいということです。ジェリー藤尾の「東急アパート」や北原謙二「ピカソマンション」、木の実ナナの「南浦和団地」などアパート名や団地名が平気で載っている。昔は平和だったなというつきなみな感想を持ちつつも、そういえば個人情報ってそもそもそんなにも大事だったっけ?と最後にきて価値観グラツカせられる大百科なのでした。

書籍データ
出版年
1965年
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